ピーナッツやスルメを食べている時、あごのだるさを感じたり、疲れたりすることはありませんか?そのだるさがひどくなって、あごを動かす時痛みを感じるようになったり、口が途中までしか開けられなくなったりすることがあると思います。このような日常のちょっとしたタイミングで顎の病気は出現します。時として、この状態を放置すると『口をあけようとすると痛い』『顎を動かす時カクンカクンと音がする』『あまり大きく口があかない』といった症状が固定してしまいます。原因はいくつかあり状態も異なりますがまとめて顎関節症と呼んでいます。
顎関節症の様々な原因とは
もちろん咬み合わせそのものも重要ですが、下記に示すような態癖と呼ばれる悪習癖が大きく関わっている可能性があります。
日中、気づくと上下の歯ががっしりと噛み合わせているか、いつも歯と歯が接触している
寝ている時、はぎしりやくいしばってることが多い
- 仕事で緊張を持続する時間が長い
- 勉強やOA機器の使用で長時間机に向っていることが多い。あるいは、その時の姿勢が悪い
- 干物、スルメ、フランスパンなど歯ごたえのある食品を好む
- うつぶせ寝することが多い
- マクラは、硬く、高いものを使用している
- よく頬づえをつく
- クラリネット、サックスホン、フルートなど練習している
- スキューバーダイビングをしている
- 受話器を肩と顎の間ではさむことが多い
- 瞬発力を要するスポーツを行なっている
顎関節症の治療方法
- 1. まずは検査や診断を行い、顎関節症かどうかの判断をします。
- 顎関節症かどうか、噛み合わせに異常があるかどうかを触診やレントゲンなどによって検査します。検査の結果が顎関節症であれば、治療の方針などを判断します。
- 2. 治療計画を立て、顎位置の決定をします。
- 治療の方針に従い、治療計画を立てます。具体的な治療法としては、咬合器(顎運動や咬合の様々な位置を再現する装置)を使用し、顎の正しい位置を決定します。
- 3. ナイトガード(スプリント)を装着し、咬合調整を行います。
- 顎周囲の筋肉が原因であれば、適切な顎関節の位置に咬み合わせを誘導していくように咬合調整をしていきます。その後、歯軋りなどの癖がある方には、ナイトガード(スプリント)を夜間のみ装着していただきます。顎関節、関節円盤自体が原因の場合には、まず関節円盤の位置を確定させるためにスプリントをできるだけ長く装着していただき、その位置が決まった時点で咬合調整を行います。この場合の治療期間は症状によって大きく異なります。数ヶ月で終わることもあれば、1年以上かかる方もいらっしゃいます。
顎関節症の治療にTCH(歯牙接触癖)の改善を導入
顎関節症の治療において、近年咬み合わせのアンバランスだけではなく日中いつも上下の歯を接触させているTCH(歯牙接触癖)が大きく関与していることが明らかになってきました。上下の歯の接触時間は24時間の中で17分~20分といわれています。緊張している時や集中している時に上下の歯をいつも接触させてくいしばっている人は顎関節症になりやすく、従来の咬み合わせ治療では治らない場合があります。当院ではこのTCHの改善を視野に入れた顎関節症治療を行っています。